木の特徴を生かした家づくりのために知っておきたい木の品質「含水率」 | 亀岡市・南丹市で注文住宅(木造住宅)ならエコデザイン株式会社

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木が生きていくために必要なものは太陽の光と水です。

そのほか、少しばかりのミネラル分も必要ですが、主には太陽と水。

水は根から木の内部に取り込まれますが、その水と二酸化炭素を使い、太陽光線で生きていくために必要なものを合成します。

これが光合成です。

そのとき、水分の多くは葉から蒸発して大気中に放出されます。

これを「蒸散作用」といいます。

この力を利用して樹木は根から水を引き上げているのです。

 

根から吸う水の量と葉から放出する水の量は、木の中の自動制御でバランスよく調整されています。この木に含まれる水分の量を含水率という数字で表します。

その個体の水分の重さを、完全に乾燥させたときの重さで割ったものが含水率です。

とくに杉の木は体内に水分をたくさん含んでいます。

森に生えている杉の木の含水率は160%程度あります。

ミズナラが約80%です。

この含水率の高さが杉という木を現代の家に使うことを難しくしているのです。

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杉の木が光合成をしながら成長しているときには160%の含水率が必要ですが、家をつくる材料として伐採されるとどんどんその水分は抜けていきます。

そして、最後にはおよそ13%程度に落ち着きます。

 

これは日本の気候、とくに湿度との関係で決まるので、日本の気候と木の中の水分のバランスがとれた状態です。

この含水率を、平衡含水率といいます。

ところが、160%もあった水分が13%になるわけですから、その乾燥の過程で木が縮むなど変形が生じます。

含水率160%の木で家をつくってはいけないのは、時間の経過とともに木が縮み、家が歪んでしまからしまうからなのです。

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そこで、あらかじめ木を乾燥させなくてはいけない。

この乾燥がとくに杉の場合は難しいとされています。

その原因は含水率の高さと生物であるがゆえの含水率の個体差が大きいことです。

杉に関してはいまだに乾燥の決定的な方法が確立されていません。

ずいぶんと研究されていて成果も上がり、十分に使える方法も出てきましたが、まだまだ難しいと言わざるを得ないのが現状なのです。

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木の含水率がどれくらいであれば十分か考えてみましょう。

この問いに対しては、大きく二つの考え方があります。

一つは平衡含水率になっていれば十分であるという考え。

もう一つは、エアコンなどの空調設備で現代の家の室内はかなり乾燥しているので、その乾燥ぎみの室内に合わせて平衡含水率よりもさらに乾燥させなくてはならないという考えです。

 

もし平衡含水率で十分だとすれば、時間はかかりますが、木はそのまま放置(野ざらしに)しておけば乾燥させることができます。

これは天然乾燥といわれる方法です。

自然に乾燥させますから、乾燥によって生じる変化も緩やかに起こり、木にさほど負担をかけずにすみます。

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その一方で、平衡含水率よりも乾燥させなくてはならないということになると、何らかのエネルギーを加える必要があります。

多くの場合には化石燃料の熱で乾燥させることになります。

これを人工乾燥といいます。

木の内部に無理な変形が起こりやすく、割れが起こりやすいのが問題です。

 

天然乾燥がよいのは化石エネルギーに頼らない点です。

しかし、天然乾燥は時間がかかります。

木の太さにもよりますが、数カ月から数年はかかります。

その間、木を保管する場所も必要ですし、在庫を十分にもたなければ欲しいときに材木が手に入らないというもどかしさも出てきます。

現代社会は木が自然に乾くのを待っているゆとりをなくしてしまったのです。

 

そのため乾燥の度合いをどうするか、さらには乾燥するまでの時間と場所をどう考えるか、この二点で現代では人工乾燥を取り入れるようになっています。

天然乾燥だけに頼るのは現実的ではないのです。

監修者情報

代表取締役 中田 昌嗣

代表取締役 中田 昌嗣

私のキャリアは、現場の職人の手伝いから始まり、現場監督を経て現在に至ります。お客様から家づくりをお任せいただく中で思うのは、常に学び続ける姿勢が大切だという事です。工法や設計、防犯や法律に至るまで時代ごとに変化しています。私たちは時代の変化を敏感に感じ取り、お客様が快適に暮らせる家づくりを行う事を意識しています。
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